岡山 吉備中央町から保護猫活動を応援! 「譲渡=卒業」廃校を活用したシェルター

岡山 吉備中央町から保護猫活動を応援! 「譲渡=卒業」廃校を活用したシェルター

保護猫活動に興味があり、猫が飼いたいけど飼えない。支援できる活動が、地域にあるのかわからない。そんな人にも買って応援、SNSで拡散して応援する方法があります。吉備中央町の廃校を活用したシェルターで、保護猫活動や譲渡会を行う、一般社団法人ティアハイム小学校の小川さんに、お話を伺いました。

  • この記事のまとめ
    • 「思いや想像だけでは、保護猫は幸せにならない」という考えから、小川さんは相談に具体的なアドバイスをしている。
    • 廃校を活用した施設には、たくさんの地域から人が集まる。見学会の開催、イベントへの参加なども、地域での認知や売り上げにつながる。
    • 通販部での買いものや、SNSでの拡散も、活動継続の支援になる。

すぐに飼えない・情報がない人も、保護猫活動はできる?

猫が好きな人であれば、保護猫活動という言葉を、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。飼い主がいない、外で孤独に生活する猫を想像すると、助けたいという気持ちが芽生えます。しかし家に猫を迎えるとなると、今すぐに実行できない人も多いと感じます。

また「住んでいる地域の活動に参加しよう」と思っても、活動している場所や情報には、地域差が生じている場合もあるようです

たとえば保護猫カフェは、支援ができる代表的な場所。ちなみに譲渡活動を行うカフェは、猫カフェ全体の33%(2017年時点)です。

2017年の調査では、対象となった全国の猫カフェ314店のうち、58店舗が東京に集中していることがわかりました。10位の静岡県が9店舗という結果を見ても「より少ない都道府県では、保護猫に触れる機会が見つかるのだろうか」と感じます。
<参考:環境省/猫カフェの実態調査>

猫が飼いたいけど飼えない、近隣で保護猫活動の情報が見当たらない。そんな場合でも、できる応援ってありますか?

ティアハイム小学校にて 身を寄せ合ってお昼寝

「思いや想像だけでは、保護猫は幸せにならない」

今回お話を聞いたのは、岡山県加賀郡吉備中央町の廃校で保護猫活動をしている、一般社団法人ティアハイム小学校の小川さんです。

現在岡山県は、ほぼ殺処分がない状況です。環境省の調査(2019年度)によると「希望者が現れないため、譲渡先の確保や適切な飼養管理が困難」という理由で殺処分される猫は、岡山県ではゼロとなっています。
<参考:環境省/犬・猫の引取り及び処分の状況(都道府県・指定都市・中核市別)>

しかし動物愛護管理法の改定により、相当な理由がない場合など、犬猫の引き取りを拒否できる条件が追加され、行き場をなくした猫への心配はつきません
<参考:環境省/改正動物愛護管理法の概要>

取材した5月は、子猫のシーズンでお問い合わせが増えていたそう。ほかには施設に入居するなどの事情で、飼えなくなった高齢者からの相談も多いといいます。

小川:「猫を引き取ってほしい」という相談は、毎日のように来ています。ティアハイム小学校でも、現在の引き取り数は上限ギリギリのため、引き取れないケースもありますね。うちだけでなく、こうした団体は多いと思います。

そんな忙しい中でも、相談に応じ、親身にアドバイスをする小川さん。どんな思いで、相談者に接しているのでしょうか?

小川:「猫を保護したけれど、どうしたらいいかわからない」という相談は、善意からくるもの。たとえうちで引き取れなくても、里親を見つけるためにやれることはあります。だから「できることはありますよ」と、具体的なアドバイスをしているんです。
教室ならではのあたたかい環境で のびのびと過ごす

現在は、アルバイトの人に譲渡会や休みの日に入ってもらう以外、小川さん1人でたくさんの猫をみていると聞きました。そんな小川さんが保護猫活動に目を向けたきっかけは、「とにかく猫が好き」という思いだったそうです。

小川:幼い頃から猫が好きで、つらい時そばにいてくれたな、という思い出があります。

けれどある時、知りあいの子が猫を拾ったところ「うちでは飼えないから、あの猫は別のところで幸せになったと思いなさい」と言われた話を聞いて。ショックを受けたと同時に「想像だけで、飼い主のいない猫が幸せになるわけはない」と考えるようになりました。

それが大人になっても忘れられず、「動物を守らなくてはいけない」という思いから、ボランティアとして保護猫活動に携わり、その後一般社団法人で働くようになりました。

「思いだけでは、活動を継続することが難しい」一般社団法人であるティアハイム小学校は、活動が継続できるよう、通販などでの収益化を考えているとのことです

小川:また、うちでは猫を譲渡する際に費用をいただくのですが、それも「思いだけではなく、きちんと面倒を見てくれる人かな」という、ある種ハードルとして設けている面が強いです。

猫がケンカせず、平和に暮らせる環境とは?

廃校利用は、地域のシンボルに再び人を集め、活性化させる役割があります。しかし平成30年度の調査によると、現存する廃校のうち19.7%(1,295校)は、活用の用途が決まらず放置されているようです。
<参考:文部科学省/平成30年度 廃校施設等活用状況実態調査の結果について>

ティアハイム小学校は、保護猫活動と廃校利用、ふたつの社会問題に取り組める環境となっています。学校という立地は、猫にとっても大きなメリットだそうです。

小川:土地の広さがあるっていうのも、のびのびできて、猫にとっていい環境ですよね。譲渡会でも緊張することなく、普段通りの様子を見せられます。つくりが丈夫で、鳴き声や臭いを気にする必要もありません。

部屋の数も多いので、ティアハイム小学校で猫を預かる場合、まずは待機部屋で生活させて、慣れてきたら大部屋に移動するよう段階を踏んでいます。また相性を確認して部屋わけができるので、誰もケンカせず平和に暮らせるようになりました
仲良くご飯を食べる猫たち

保護猫・犬活動では「場所が足りなくて、これ以上預かれない」というケースもあります。また猫の多くは、性格ではなく人間への恐怖から警戒するため、猫がリラックスできる空間の確保は大切だそうです。学校というと、地域の方が集まっていそうなイメージ。ティアハイム小学校には、どんな人が訪れているのでしょうか?

小川:以前、近隣の小学校から、団体で小学生が見学にきました。まだこうした機会は少ないのですが、子どもたちが社会問題に接する機会になるので、積極的に受け入れたいと思っています

小川さんはうれしそうに、小学生からの手紙を見せてくれました。学校という環境は、こうした見学や学習にも適していると感じます。

小川:ほかに地域との関わりとしては、通販部で地域のお店や、近くに住む作家さんの商品を販売しています。備前焼の作家さんによる猫の箸置きだったり、コーヒー屋さんとコラボして、焼き菓子とコーヒーのつめあわせを売ったり。
<ティアハイム小学校 購買部>

近隣のイベントに参加して、グッズを販売することもあります。売り上げと認知度を上げるために、誘われたものは参加したいと思っています。

「地元との関わりは、案外少ないかもしれない。今後機会を増やしていきたいです」と話す小川さん。実は岡山県の真ん中、吉備中央町にあるティアハイム小学校には、たくさんの地域から人が集まっていました

「猫とふれあうだけの人も大歓迎」の理由

小川:もちろん引き取りに関する相談は、岡山市内や近隣の方からも来ています。けれど足を運んでくださる方は、倉敷市や総社市など周辺の市、県外だと兵庫県や山口県からもいらっしゃいます。少し前、京都の方も見学されていましたね。

コロナ禍で譲渡会が開催できず、3ヶ月ほど人を集められない時期もあったそう。けれどクラウドファンディングやSNSでの拡散を通じて、人が訪れるようになったといいます。

小川:猫を引き取りたい人もいれば、ただ猫とふれあうことが目的の人もいます。最初は「引き取りたい人に来てもらった方がいいのかな」とも思っていたんですけど、「こんなところがあるんだ」と思ってくれた人が増えることで、活動が広がっていったんです誰かが発信することで、猫を引き取りたい人に情報が届くこともある。ゆくゆくは保護猫の飼い主が決まるように、とにかく人を集めようと考えるようになりました。

来場者にはSNSでの拡散や、通販のはがきを配布してもらうよう、呼びかけています。最近では「猫を引き取りたい」という人も増えてきて、いい傾向だと感じています。

SNSでの拡散や、通販での買いもの・寄付は、私たちにも参加しやすい形です。ティアハイム小学校購買部では、販売利益の100%が、保護猫活動の資金として使われます。応援したいと感じたら、こちらのページで「あなたにできる保護ねこ活動」を確認してください。
<ティアハイム小学校購買部 あなたにできる保護ねこ活動>

小川:私たちの目標は、「1匹でも多くの猫を救うこと」。活動は大変だけれど、猫が好きだから頑張れるのだと思います。いずれはもっと引き取れる頭数を増やして、よりたくさんの猫を救いたいです。

多くの人に活動を知ってもらい、継続させたいという思いが、お話を通じて伝わってきました。

ティアハイム小学校のコンセプトには、「譲渡=卒業」という思いが込められています。1匹でも多くの猫が、幸せな卒業ができるよう、買いものや拡散で保護猫活動を応援しませんか?

卒業を待つティアハイム小学校の保護猫
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One thought on “岡山 吉備中央町から保護猫活動を応援! 「譲渡=卒業」廃校を活用したシェルター

  1. ドイツティアハイムの存在を知った時凄いと思いました。岡山にもあったんですね。ただ何処の保護活動されてる団体さんも個人さんも少人数の方に全ての負担が掛かっているように思えてなりません。外野が口出す事ではないかも知れませんが人が足りなければあちらとこちらの団体や個人さんで連携し合える仕組みや例えば個人で活動されてる方が何らかの理由で放棄せざるを得なくなった時全国の保護団体さんと連携できる仕組みがあるのでしょうか?気になってます。

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