働く仲間約44人に1人の障がい者、どう接する? 「引っ張っていくより自然体」がいい理由とは

働く仲間約44人に1人の障がい者、どう接する? 「引っ張っていくより自然体」がいい理由とは

近年、制度の変更により、障がい者雇用は身近になりました。

2021年3月から、障がい者法定雇用率が2.2%から2.3%に変わり、従業員43.5人以上の民間企業が対象となりました。
<参考:厚生労働省/令和3年3月1日から障害者の法定雇用率が引き上げになります>

障がい者と一緒に働くことが、特別なことではなくなった今。困りごとが見えにくい精神障がい者とのコミュニケーションや接し方に、不安があるかもしれません。

大切なのは、「障がい者だから」とかまえず、いつも通りの自然体でいることなんです。

  • この記事のまとめ
    • 障がい者を「引っ張っていこう」ではなく、横並びの姿勢で信頼関係は生まれる。
    • 境遇が異なる人との関わりによって、障がい者も助ける側になれる環境が、社会での居場所をつくる。
    • ぎこちない態度は見抜かれる。自然体で明るく接すれば、向こうから心を開いてくれる。

障がい者を「引っ張っていく」より横並びの姿勢で

今回お話を聞いたのは、「NPO法人多摩草むらの会」代表理事、風間美代子さん

多摩草むらの会は、心の病を持つ精神障がい者が自立できるよう、就労支援・自立生活支援・相談支援などの事業を展開しています。
〈NPO法人 多摩草むらの会ホームページ〉

自分にあった場所で働き続けるための就労支援には、信頼関係が欠かせないといいます。

風間:大切なのは、スタッフと利用者さんの信頼関係を保っていくこと。私は「一期一会」と言っていますが、話しやすい人に出会うことで、能力を伸ばして長く働けるようになるんです

本人に合った場所を探すために、どのよう支援がされているのでしょうか?

風間:私たちに共通しているのは、前に出て引っ張りすぎることなく、利用者さんと横並びでサポートする姿勢です。

最も時間がかかるのは、相談に来てから「こんな仕事がしたい」とたどり着くまで。早い人で半年、ほとんどが年単位だと風間さんは話します。

風間:本人が話し出すまで、じっくり待つ。まずは一緒に会話や食事などからはじめて、少しずつ打ち解けていく。話してくれるようになったら、表情を見ながら、言葉にできない部分を拾っていきます。

こうしたことで、信頼関係が生まれていくんです。

農園にて 共同作業の様子

ダイバーシティとは、障がい者も助ける側になれる環境。

多摩草むらの会では、高齢者や障がいの当事者、健常者と障がい者の間にいる「ボーダー」と呼ばれる方など、さまざまなスタッフさんが働いています。

風間:多様な人がいることで、助け合える関係が生まれます。精神障がい者の望みは、さまざまな人と接すること。障がい者だけがいる環境ではないと、私は感じてきました。

リタイアした高齢者が経験を語り、若者が自分の親には聞けなかった、親世代の気持ちを知る。

若者は、高齢者の代わりに力仕事ができます。「孫が引きこもってしまった」という相談に対し、自身の体験を話していたこともありました。

休学中だったボランティアの人が、「障がいがあっても頑張っている人がいるのに、自分は何をやっているんだろう」と考えるようになって、大学へ復帰したこともあります。

どこで主役になれるかはわからないけれど、さまざまな人がいることで、お互いに助け合いの積み重ねができる。私はこれを「ダイバーシティ」と呼んでいます。

さらに利用者さんは、事業所内を超えた、社会との接点を求めています。

風間:彼らも「お情けで買ってもらうのは嫌だ、気に入って長く使って欲しい」「一般の人に利用される場所で働きたい」と思っています。

偏見をなくしていくには、彼らを見てもらわなくてはいけない。公園の清掃や、商業施設にあるレストラン「畑deきっちん」など、事業所で働く精神障がい者を自然に見てもらうチャンスをつくっています。

自分に価値を見出せなくなっていた障がい者が、社会の役に立てれば、「生きていてもいいかな」と希望を持てる。そのためには人との接点の中で、「ここで生きていける」という確証が必要なんです。
野菜創作料理店 畑deきっちんにて

ぎこちない態度は見抜かれる。友達のような自然体で接して。

あらゆる人が働きやすい社会にするには、私たちの心がけも必要です。障がい者と接した経験がないと、わからないことだらけで不安。意識しすぎも、差別になるかも……。では、どう接すればいいのでしょう?

風間:はじめてのボランティアさんには、「お友達と会うような、自然体で接してください」と言っています。

なぜなら、ぎこちない態度は見抜かれてしまうから。

風間:利用者さんは「自身が病気になったことで、家族関係が変わった」などの経験があります。表情などの変化にも敏感なんです。

彼らから気遣いをしてくれることもあります。たとえば私が疲れて面談をしていたとき、向こうから早く切り上げてくれて。「しまった、入室した時から気づいていたのかな」と反省しました。

スタッフさんも「暗い表情で心配をかけないように」と、笑顔と声かけを心がけ、明るい雰囲気を大切にしているそうです。

風間:「どう接したらいいか」と悩む大人より、気楽な小中学生の方が打ち解けやすいようです。障がいを抱えているとはいえ、普通の人なんです。自然体で焦らず接すれば、彼らから心を開いてくれますよ。
おまんじゅう販売の様子。八王子市ふるさと納税の返礼品にもなっている。

境遇が異なる人との関わりによって、障がい者も助ける側になれる環境が、社会での居場所をつくる。

「さまざまな人がいますし、何年やっていても慣れることはありません」と、風間さんは言います。接するのは、ひとりの個人。「障がい者だから」と、ひとくくりでは考えられません。

自分にできることで社会の役に立ち、多くの人と接したい。

障がいを抱えながら働く利用者さんは、私たちと変わらない考えを持つ人たちでした。

私も今後は障がいの有無に関わらず、明るく自然体でかかわっていきたいです。

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