住んでいる地域のアート、知ってる? 77.8%の地域が「市民に見て欲しい」

住んでいる地域のアート、知ってる? 77.8%の地域が「市民に見て欲しい」

  • この記事のまとめ
    • 地域色のあるアートには、新たな魅力をつくり、地域文化を発信する力がある。
    • 地域外から人を集めるだけでなく、「市民の暮らしへの文化芸術の普及」も大きな目的。
    • 現地に足を運びにくい場合は、オンライン展示やSNSなどで、作品に触れる方法もある。

地域のアートって、伝統や名物だけじゃない?

地域の美術館、芸術祭などのイベントに行ったことはありますか? 「あるのは知っているけれど、足を運んだことがない」という人も多いのではないでしょうか。

有名な美術館やイベントは、観光の目的にもなりやすいもの。一方で「住んでいる地域の伝統や名物なら、見なくてもなんとなく想像できる」と考え、触れてこなかった人もいるかもしれません。

しかし地方のアートイベントが増えた現在、もともとあった地域色に加え、新たな魅力としての作品づくりや、イベントを行う自治体も増えました

また「住んでいる人たちにも、アートの体験をしてほしい」と考えている地域も多いのです。どのような形で楽しめる場所があるのか、見ていきます。

「高齢化した島を元気にする」芸術祭の力

近年多く開催されているアートフェスティバルは、地域と結びついたアートが、たくさんの人々を集めている代表的な例です。大きな芸術祭は、10年以上開催を続けているものもあります。

新潟県越後妻有地域で開催される「越後妻有 大地の芸術祭」は、20年ほど続いている、地域に根づいたイベントです。廃校や空家、棚田を活用し、もともとある地域資源から新たな作品が生まれています。

「瀬戸内国際芸術祭」は、瀬戸内の12の島と2つの港で開催されます。「過疎高齢化の島を元気にし、今後の展望をつかむ」が背景にあり、作品を観るために島を回ることで、人の流れや交流が生まれました。作品によっては、芸術祭以外の期間でも閲覧可能です。

どちらの芸術祭も野外彫刻作品が多く見られ、地域や自然がテーマとなっていることが感じられます
<参考:文化庁/大地の芸術祭・瀬戸内国際芸術祭事例報告>

地域色とは、伝統文化にしばられることではありません。新たな作品をつくり、その土地の魅力を再確認する方法として、アートが人を集めている場所があるのです

また地域にゆかりのあるアートは、外部から人を集めるだけでなく、地元のよさを市民に再確認させることにも有効です。

芸術祭は、地域外から人を集めるためのもの?

文化庁の調査によると、文化芸術のフェスティバルを開催する地域は、77.8%が「市民の暮らしへの文化芸術の普及」を開催の目的としています

たとえばさいたま市は、市民等が生き生きと心豊かに暮らせる文化芸術都市を創造するため、「さいたま市文化芸術都市創造条例」が制定されています。

条例をもとに、さいたま文化の創造・発信、人材の育成、まちの活性化を目的とした「さいたまトリエンナーレ」が開催されました。遊休施設や屋外空間を活用するなど、場所性にこだわり、地域の魅力を再確認することが目的です。

東北芸術工科大学が主催する山形ビエンナーレは、「新しい地方の豊かさ」を創造するための芸術祭です。山形市中心地のエリア・リノベーション、空きビルや商店の再生を行い、芸術に賛同する市民が増えることを目的としています。
<参考:文化庁/我が国で開催される文化芸術の フェスティバルの実態等に係る 調査報告書>

「近くにあるから知っている」と思っていた場所に、新たな作品が生まれているかもしれないのです。近隣で開催されるイベントが気になったら、チェックしてみませんか?

地域に行きづらいコロナ禍。アートはどう楽しむ?

近くでイベントがない場合は、美術館などの施設も、地域色が見られる場所です

各地の博物館・美術館も、地域色の強い観光地としても注目されています。一方で芸術と市民をつなぐ場所でもあり、地域文化の発信・発掘や市民が参加できるプログラムを目的とした、市民のための施設でもあるのです。
<参考:文化庁 地域と共働した博物館創造活動支援事業>

博物館や美術館は、目玉となる企画展に目がいきがちですが、地域にゆかりのある作品を所蔵している施設でもあります。地域にゆかりのある作品・作家を集めた展示が、近隣の美術館で開催されているかもしれません。

現在は新型コロナウイルスの影響で、美術館なども、感染症対策をした上で営業していますが、緊急事態宣言時には休館する施設もありました。

そこで多くの美術館が、オンライン通話や動画視聴でのワークショップ・展示など、自宅でも楽しめる企画を提案しています。気になる美術館でそうした企画がないか、調べてみるのもひとつの方法です。

また芸術祭などのイベントが、インスタグラムを開設しているケースも増えているため、SNSで気になる地域や施設を検索して、アートに触れる機会は増えているようです

実物が見られないのは残念ですが、普段足を運ばない美術館や、遠い地方のアートにも気軽に触れられる環境とも言えます。今まで知らなかった、住んでいる地域にゆかりのある作品や、行ってみたい地域のイベントを、この機会に調べてみませんか?

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