「野良猫に餌をあげたい」の危険性 殺処分された18,176匹が育てられない子猫

「野良猫に餌をあげたい」の危険性 殺処分された18,176匹が育てられない子猫

飼い主のいない猫を見て、「餌をあげたい」と思ってことはありますか? 餌をあげるだけでは無責任。動物のお世話をするには、衛生管理や避妊手術が必要で、10年ほど面倒をみなければいけません。猫を保護したときの相談場所や、地域猫活動を知ってください。

  • この記事のまとめ
    • 野良猫に餌をあげる場合は、適切な量を与え、トイレを設置するなど、衛生管理をしなければいけない。
    • 殺処分された猫の67%が離乳前の幼齢。育てられない猫を減らすため、避妊手術が必要。
    • 猫は10年以上生きる場合もあるため、最後まで面倒を見なければいけない。飼えない場合は里親を探し、見つかるまで保護する必要がある。
    • 「飼い主のいない猫をゼロにする」活動が、地域猫活動。協力の第一歩は、活動を理解すること。
    • 迷い猫は、警察や動物愛護センターに届ける方法もある。ひとりで抱え込まないように相談しよう。

「野良猫がかわいそうだから餌をあげよう」は悪影響?

あなたは住んでいる地域で、飼い主がいなさそうな猫を見かけたことはありますか? 毛がボサボサだったり痩せていたりして、「食べものをあげたほうがいいかもしれない」と考えることもあるかもしれません。

「お腹を空かせてかわいそう」は、優しい気持ちです。しかし餌をあげるだけでは、野良猫のためになるどころか、悪影響の方が大きいことを知っていますか? 

猫をお世話する場合に必要なもの、飼い主のいない猫を見かけたときにできることを考えます。

殺処分された猫の67%が、離乳前に捨てられる。

動物のお世話をするには、以下のことを考える必要になります。

  • 衛生管理やトラブルの防止
    動物に餌をあげると、餌やふん尿の管理が必要になります。ふんや餌の始末、動物の匂いは、近隣トラブルになりやすいものです。餌をあげる場合は置いて放置するのではなく、適切な量をあげ、トイレも設置します。そのほかにも騒音や隣家への立ち入りなど、猫が周囲に迷惑をかけることがあるかもしれません
    <参考:環境省/住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン>
  • 飼いきれない場合は避妊手術が必要
    避妊手術は、育てられない命を減らすために必要です。残念なことに、途中で飼育を放棄される動物がいます。令和元年度、殺処分された猫は27,108頭。そのうち、幼齢(おもに離乳していない)猫は18,176頭で、全体の67%にあたります。
    <参考:環境省/統計資料 「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容並びに処分の状況>
    処分された猫の多くは、「産まれてきたけれど育てられないから」という理由があるではないでしょうか。そのため「この猫だけを面倒みたい」と考えている場合は、餌をあげるだけでなく、避妊手術を受けさせる必要があります。
  • 時間と費用がかかること
    猫は10年以上生きる場合もあります。餌をあげ、病院に連れて行き、ほかのケアも続けるとなると、費用がかかります。生活様式が変わって、面倒がみられなくなる可能性についても、考えなければいけません。

自分で飼えない場合は、里親探しが必要です。貼り紙やインターネットを使う以外には、ボランティア団体に相談して、譲渡会に参加させてもらうなどの方法もあります。しかし団体で受け入れてもらうことは難しく、里親が見つかるまでの間は保護した人が面倒をみる場合があります

「では飼い主のいない猫は、どうしたらいいの?」と気になる人は、ぜひ地域猫活動を知ってください。

耳の切れた野良猫は、「さくらねこ」かもしれない。

住んでいる地域で、耳の先が切れている野良猫を見たことはありませんか? そんな猫を見かけたら、地域猫という言葉を思い出してください。

地域猫活動は、地域住民・ボランティア・行政が一体となって、野良猫の世話をする取り組み。不妊手術済みの猫は、印として耳の先端をカットされているため「さくらねこ」とも呼ばれます。

  • おもな地域猫活動
    • トイレなどの公衆衛生管理
    • 適切な餌やり
    • 不妊手術の実施
    • 活動を周知し、理解を得る

地域猫は「この活動があれば野良猫がいても大丈夫」というものではなく、「飼い主のいない猫をゼロにする」ための活動です。餌やりなどについても、地域でルールが決められています。活動に同意する場合は、ボランティアの参加、寄付といった支援の仕方もありますが、まずは活動内容を理解することが大切です
<参考:環境省/ 地域猫活動>

「猫が飼えないけれど力になりたい」という場合には、こうした活動や団体を応援するのも、ひとつの方法です。住んでいる地域の活動やガイドラインについては、各自治体のホームページで確認できます。

野良猫ではなく、迷い猫だった場合は?

地域猫ではない場合も、飼い主がいる猫や、一緒に生活する親兄弟がいる可能性もあります。人のにおいがつくと、母猫や周囲の猫が警戒します。猫とその周囲をしっかり確認しましょう

迷い猫の場合には、警察や動物愛護センターに捜索願い・情報が寄せられている場合もあります。連絡をする場合には、見つけた場所や状況を把握して伝えることが必要です。
<参考:環境省/地方自治体連絡先一覧>

飼い主のいなさそうな猫を見つけて、どうしたらいいか迷ったときは、ひとりで抱えず周囲に相談することが必要です。「とりあえず餌だけあげよう」と行動せず、適切な活動や機関を思い出してください。

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